Initial Jobless Claims

新規失業保険申請件数

 

新規失業保険申請件数(Initial Jobless Claims)

1. 新規失業保険申請件数(Initial Jobless Claims)とは?

概要

新規失業保険申請件数(Initial Jobless Claims)は、失業者が初めて失業保険を申請した件数を示す指標です。毎週発表されるため、アメリカの労働市場の最新の動向をいち早く把握できる重要なデータの一つです。

失業保険の申請件数が増加すると、雇用環境の悪化が懸念され、景気の減速を示唆します。一方、申請件数が減少すれば、労働市場が堅調で景気が安定していると判断されます

2. 市場への影響

この指標は毎週発表されるため、短期的な市場の変動要因になりやすいです。ただし、一時的な変動が多いため、長期的なトレンドと合わせて分析する必要があります。

主な影響

  • 申請件数が予想より多い(雇用環境が悪化)米ドル安(USD下落)、株価下落、金利低下の可能性
  • 申請件数が予想より少ない(雇用環境が安定)米ドル高(USD上昇)、株価上昇、金利上昇の可能性

また、雇用統計(NFP)や失業率と組み合わせて分析することで、より正確な市場の見通しが可能になります。

3. 注意事項

  1. 週ごとの変動が大きいため、長期トレンドを確認
    • 季節要因や一時的な影響で申請件数が増減することがある。
    • 4週間移動平均(4-Week Moving Average)を確認することで、ノイズを除いたトレンドを把握できる。
  2. 雇用統計(NFP)の先行指標としての活用
    • 毎週発表されるため、月次のNFPの予測材料として役立つ
    • ただし、NFPとはデータの算出方法が異なるため、必ずしも一致するわけではない。
  3. 経済ショック時には急増する傾向
    • リーマンショックやコロナ禍のような経済危機時には、申請件数が急増しやすい。
    • そのため、通常時と異なる市場の反応を示すことがある。

4. 発表時間(夏時間・冬時間)

新規失業保険申請件数は毎週木曜日に発表されます。

期間 発表時間(米東部時間) 日本時間(JST)
夏時間(3月~11月) 午前8:30 午後9:30
冬時間(11月~3月) 午前8:30 午後10:30

※米国が夏時間(サマータイム)を適用している場合、日本時間の発表時刻は1時間早まります。

5. まとめ

  • 新規失業保険申請件数は、雇用市場の最新の状況を把握するための重要な指標。
  • 毎週発表されるため、短期的な市場変動の要因になりやすい。
  • 週ごとの変動が大きいため、4週間移動平均とセットで分析するのが望ましい。
  • 発表は毎週木曜日の米国東部時間午前8:30、日本時間午後9:30(夏時間)または午後10:30(冬時間)。
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