移動平均線

移動平均線

移動平均線(Moving Average, MA)とは?種類・計算方法・実践例

1. 移動平均線の概要

移動平均線(Moving Average, MA)は、一定期間の価格の平均値を計算し、ラインとしてチャート上に描写することでトレンドを視覚化するテクニカル指標です。相場の方向性を把握するための基本的なツールで、短期・中期・長期の分析に幅広く活用されています。

単純移動平均線(SMA)を表示したチャート例
単純移動平均線を表示したチャート例

2. 移動平均線の種類

2-1. 単純移動平均線(SMA: Simple Moving Average)

  • 指定期間内の終値の平均を計算。
  • 例: 10日SMAは直近10日間の終値の平均値。

2-2. 指数移動平均線(EMA: Exponential Moving Average)

  • 最近の価格に重みを置いて計算。
  • トレンドの変化に対してより敏感。

2-3. 加重移動平均線(WMA: Weighted Moving Average)

  • 価格データに線形の重みを付与。

3. 主な用途

3-1. トレンド分析

  • 移動平均線が上向き: 上昇トレンド。
  • 移動平均線が下向き: 下降トレンド。

3-2. サポート・レジスタンス

移動平均線がサポートラインやレジスタンスラインとして機能する場合がある。

移動平均線がサポートラインとして機能している例
移動平均線がサポートラインとして機能している例

3-3. クロスオーバー分析

  • 短期線が長期線を上抜け: ゴールデンクロス(買いシグナル)。
  • 短期線が長期線を下抜け: デッドクロス(売りシグナル)。
ゴールデンクロスとデッドクロスの例
ゴールデンクロス(買いシグナル)とデッドクロス(売りシグナル)の例

4. 計算式

単純移動平均線(SMA)の計算式:

単純移動平均線(SMA)の計算式
単純移動平均線(SMA)の計算式

指数移動平均線(EMA)の計算式:

指数移動平均線(EMA)の計算式
指数移動平均線(EMA)の計算式

5. 注意点と限界

移動平均線を使用する際の重要な注意点

  • 遅行性: 移動平均線は過去のデータに基づいているため、トレンドの変化に対して遅れることがある。
  • ノイズの影響: 短期移動平均線は価格の変動に敏感で、誤ったシグナルを発生する可能性がある。

6. 実践例

6-1. デイトレード

デイトレードにおける移動平均線の活用例を示すチャート
デイトレードにおける移動平均線の活用例

5日移動平均線と20日移動平均線のクロスオーバーを活用して、短期トレンドを把握。

6-2. スイングトレード

スイングトレードにおける移動平均線の活用例

スイングトレードにおける50日・200日移動平均線の活用例を示すチャート
スイングトレードにおける50日・200日移動平均線の活用例

50日移動平均線と200日移動平均線を使用して、中長期のトレンドを分析。

7. まとめ

移動平均線はシンプルながらも非常に強力なツールで、初心者からプロまで幅広いトレーダーに活用されています。トレンドの方向性や市場の勢いを把握し、取引の意思決定を補助するために欠かせない指標です。

免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。

この記事は、Fundoraの経験豊富な市場アナリストチームによって執筆および監修されました。

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