オーバーシュートとは

2025年11月22日

オーバーシュートとは｜意味・原因・具体例・対応・注意点をやさしく整理

短時間に価格が“行き過ぎる”動き――それがオーバーシュートです。為替や株、コモディティなどあらゆる相場で起こり、上にも下にも一方向へ一気に伸びやすく、その後に押し戻されることもあります。本記事では、初心者でも迷わないように意味・原因・見え方・対応・注意点を形式を整えて解説します。

オーバーシュート（overshoot）とは、本来想定される価格帯を一時的に大きく超える変動を指します。勢いが収まると元の近くまで戻ることもある一方、必ず戻るわけではありません。

価格が一方向に偏ると起こりやすくなります。

参加者が少ない時間帯や、重要指標・要人発言など流動性や不確実性が偏る局面で発生しやすい傾向があります（ただし、その限りではありません）。

上昇のオーバーシュート
抵抗帯（レジスタンス）を一気に上抜け→高値を付けた直後に長い上ヒゲを残して戻る、という形が典型です。
合図: 「高値更新 → すぐ失速 → 上ヒゲが目立つ」
下落のオーバーシュート
支持帯（サポート）を力任せに下抜け→安値を付けた直後に長い下ヒゲを残して戻るのが典型です。
合図: 「安値更新 → すぐ切り返し → 下ヒゲが目立つ」

重要：ヒゲが出ても戻り切らないケースは普通にあります。ヒゲ＝必ず反転ではありません。

「必ず戻る」前提は禁物
オーバーシュート後にそのまま伸び続けることもあるため、“逆張り前提”は危険です。
スリッページとコスト
急変時は約定が滑りやすく、スプレッド拡大・手数料・スリッページで損益が大きく変わります。検証・実践ともコスト込みで考える。
時間足の整合性
5分足では過剰でも、15分や1時間では“普通のブレ”ということも。同一の時間足で比較・検証する。
しきい値の誤認
レジサポの線引きが曖昧だと「行き過ぎ」の判断もブレます。明確に意識される価格帯（高安値・ラウンド番号・直近の密集ゾーン）を優先。
サイズと損切り
荒い局面ではポジションサイズを抑える／損切りを機械的に置く（例：直近のヒゲ先・ATR係数）ことで、想定外の伸びに備える。

Q1. 起きたら必ず逆張りで狙うべき？

A. いいえ。逆張りは“戻る”前提に依存します。順張りの継続になる場合も多いため、入らないという選択や、分割で慎重に入る・明確な無効化ライン（損切り）を置くほうが安全です。

Q2. ヒゲが長ければそれだけで判断できますか？

A. できません。出来高・時間帯・直近のレジサポなど文脈とセットで評価します。

Q3. どの時間足で見るのが良いですか？

A. 使う戦略と合わせます。短期なら5〜15分、スイングなら1時間〜日足など。検証と実践の時間足を一致させるのがコツです。

Q4. 指標時のオーバーシュートは狙って良い？

A. リスクが高く、スプレッド拡大や滑りが常態化します。事前に取引しないルールや、落ち着くまで待ってからの形だけを狙うなど、ルールで管理しましょう。