ADX(Average Directional Index)

ADX(Average Directional Index)

ADX(Average Directional Index)とは?トレンドの強さを測る指標を徹底解説

1. ADXの概要

ADX(Average Directional Index)は、相場のトレンドの強さを測定するために使用されるテクニカル指標です。J・ウェルズ・ワイルダー(J. Welles Wilder)氏によって開発され、0~100の範囲で値が表示されます。ADXはトレンドの方向性ではなく、トレンドの「強さ」を評価するために使用される点が特徴です。

ADXチャートの例:トレンドの強さが線で表示されている
ADXチャートの表示例

2. ADXの構成要素と計算式概要

ADXの構成要素:DI+、DI-、ADXライン
ADXの構成要素

ADXは、以下の4つのラインで構成されています。

  1. DI+(Positive Directional Indicator)
    • 上昇トレンドの勢いを測定。
  2. DI-(Negative Directional Indicator)
    • 下降トレンドの勢いを測定。
  3. ADXライン
    • DI+とDI-の相対的な動きから計算され、トレンドの強さを表す。
  4. ADXRライン
    • ADXの変動量を計ります。ADXの向きを確認することに使われます。

計算式概要

  • DI+とDI-は、それぞれの方向性指標(DM)の差を平均値で正規化。
  • ADXは、DI+とDI-の差の絶対値を使用し、平滑化して算出。

3. ADXの活用方法

  1. トレンドの強弱を判断
    • 25以上: トレンドが強い状態(トレンド相場)。
    • 25未満: トレンドが弱い状態(レンジ相場)。
  2. トレンドの方向性と併用
    • DI+がDI-を上回っている場合: 上昇トレンド。
    • DI-がDI+を上回っている場合: 下降トレンド。
  3. エントリーのタイミング
    • ADXが上昇し始めた場合、トレンドの強化を示唆。
    • ADXが下降し始めた場合、トレンドの終了または弱体化を示唆。

4. 実践例

強い上昇トレンド:DI+がDI-を上回り、ADXが25以上で上昇している場合、買いエントリーを検討。

弱いレンジ相場:ADXが25未満で、DI+とDI-が頻繁に交差している場合、トレンドフォロー戦略は避け、逆張りやレンジトレードを検討。

5. 注意点と限界

  1. トレンド相場でのみ有効
    • ADXはトレンドの強さを測定するため、レンジ相場では有効性が低下します。
  2. 遅行性
    • ADXは過去のデータを基に計算されるため、シグナルが遅れる場合があります。
  3. 単独での使用は非推奨
    • 他の指標(移動平均線RSIなど)と併用することで、精度を向上させることができます。

6. 他の指標との併用

・RSI(Relative Strength Index): トレンドの強さ(ADX)と相場の過熱感(RSI)を同時に分析。

・ボリンジャーバンド: ボラティリティ指標と組み合わせることで、トレンドの強さと変動幅を確認。

・移動平均線: トレンド方向を確認しながら、ADXでその強さを補完。

7. まとめ

ADXは、トレンドの強さを測定するシンプルで効果的な指標です。特にトレンドフォロー型の戦略において、エントリーやエグジットのタイミングを判断するために役立ちます。ただし、レンジ相場では他の指標との併用が必要です。トレンドが明確でない場合でも、ADXはマーケットの状態を理解するための重要なツールとなります。

ADXを使いこなして、 Fundora のプロトレーダーとして有利なトレードを行いましょう。

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